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「HOME18岡山」とは
このブログが、染色体少数派のご家族の目にとまりましたら幸いです。
「18っこファミリーと繋がりたい」「岡山の18っこファミリー(と繋がりのある人)と会ってみたい」「18番ではないけれど染色体少数派なので、18っこ家族の話を聞きたい・聞いてほしい」と思われたらたら、どうぞご一報ください。
何かお役に立てることがあるかも知れません。
「HOME18岡山」は18っこや13っこをはじめとする、染色体少数派の子どもとその家族と仲間たちの会です。
目次
本日2019(令和元)年12月4日、このブログを立ち上げるのと同時に、「HOME18岡山」を立ち上げます。
この団体は、以下に述べる会の主旨に賛同する仲間とともに、私(惟母)が中心となって運営し、活動を広げていく予定です。
現在は手探りの状態ですが、随時変更を加えてより良いものにしていこうと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
連絡は本日よりお受けいたします。
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「HOME18岡山」設立の目的
お子さんが染色体少数派の診断を受けた親の思いを傾聴するとともに、家族間の交流と親睦とを図り、医療・福祉・教育関係者や地域社会との橋渡しをすることを目的としています。
子どもの命を左右する苛酷な選択の場面で悩まれる親に、きっと病院の先生や看護師さんは、「お母さんとお父さんが話し合って出した結論が、赤ちゃんの望む道なのですよ」と仰ることでしょう。
私もその言葉にどんなに慰められたか分かりません。
ご家庭の状況や赤ちゃんの状態によって、選択は変わってきますし、「これが正解」という道はありません。
強いていえば、親の出した答えが正解なのだと思います。
私がもしご相談をお受けしても、「こちらの道に進んでほしい」などと意見を押しつけることはありません。
ただ、なるべく後悔の少ない選択をなさるお手伝いがしたいのです。
私自身が、あの時「同じ経験をした人、秘密を守れる人に話を聞いてほしい」と思ったから。
看護師さんから「何でも質問してね」と言われても「何を質問していいのかすら分からない」と思ったから。
後になって「その情報はもっと早く知りたかった」と思ったから。
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「HOME18岡山」の活動内容
目的を達成するために、次のような活動を考えています。
- 傾聴の場の提供。
- SNSによる交流と情報交換の場の設定。
- 茶話会の実施。
- 18っこと家族、会の広報活動。
- 読書会や映画の上映会などの活動。
- その他、目的を達成するために必要な活動。
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なぜ「岡山」に?
赤ちゃんが18トリソミーであることを妊娠初期に知る方は、出生前診断と羊水検査を受けた方かも知れません。
私のように妊娠後期で知る方は、胎児エコー検査と羊水検査を受けた方かも知れません。
出産後に知る方は、生まれた赤ちゃんの大きさや心臓・呼吸の具合等から赤ちゃんの血液で染色体検査を受けた方かも知れません。
知らされ方は様々、受け止め方も様々だと思いますが、わが子が「18トリソミーである」と告げられた時の驚き、不安、絶望、恐怖、迷い等の感情には少なからず共感することができます。
そして診断後に押し寄せる、怒濤の「選択」の日々。
「妊娠は継続しますか?」
「どのような方法で産みますか?」
「呼吸管理はどこまで行いますか?」
「治療・手術はどこまで行いますか?」
「何を最も大切に考えますか?命の時間?家族との時間?」
私は三つの病院を経験しましたが、振り返ってみると命が関わるあまりにも重い「選択」であるにもかかわらず、与えられる情報は決して多くはなく、やや偏っていることもあったように感じています。
また勉強するにつれて、18トリソミーにまつわる医療の歴史だけでなく地域性も少し見えてきたように思います。
住む地域や病院によっては、18トリソミーや13トリソミーのような「予後不良」といわれてきた染色体異常の赤ちゃんに対しても、積極的に治療をすすめる病院もあります。
また他県には、伝統的に18っこの家族同士を繋げ、ピアサポートの場を設定してくださる病院もあるようです。
2019年現在、岡山県ではどうでしょうか。
息子に関しては、一つひとつの治療の度に、お医者さんから示された治療のメリットとデメリットをもとに親が選択していきました。
先輩18っこファミリーと出会う間もなく、経験談を聞く機会もないまま、あっという間に選択の日がやってくるという印象でした。
手術については、親が強く望み、赤ちゃんが手術を受ける意義があると判断された場合に限り受けることができました。
治療を望んだ場合、今受けうる最善の治療を受けることができました。
産婦人科とNICUの先生や看護師さん、スタッフの皆さまに、息子は全力で命を救っていただきました。
本当に感謝してもしきれません。
ただ、重要な選択や決定の前に、経験者の声を聞きたくなる方がいらっしゃるかも知れません。
そんな時に親が求めるのは、「全国的な」情報や「他の地域の18っこ家族との繋がり」だけではなく、「岡山の最近の」情報や「岡山の病院出身の18っこ」家族との出会いではないでしょうか。
少なくとも私はそうでした。
お家で幸せに暮らすかわいい18っこに出会えたことが、4ヶ月弱NICU に通った私の心の拠り所でもあり希望でもありました。
「多くは流産か死産」「1年生存率10%」など、何かと厳しいことを言われる病気だけれど、ひょっとしたら息子も家に帰って家族と生活できるかも知れない、こんなにかわいい笑顔を見られるかも知れない、誕生日のお祝いができるかも知れない、息子をバギー(子ども用車椅子)に乗せて近所の公園へお散歩にいけるかも知れない、特別支援学校で学べる日も来るかも知れない……などと、具体的な夢を見ることができました。
しかし、「個人情報を守る」という世の中の流れもあり、出会うまでには相当の時間と労力を要しました。
「短命」と言われる18っこだからこそ、親同士が「素早く繋がる」ことも大切であると痛感し、岡山の会の設立を意識するようになりました。
私は医療関係者ではありません。
お伝えできる情報は、経験者とはいえ一素人が収集したものです。
18トリソミーの息子は2019(平成31)年3月に岡山県内の病院で生まれ、114日間の闘病の末、同(令和元)年7月に同病院のNICUで息を引き取りました。
したがって、在宅育児の経験もありませんから、お家での生活については詳しくお答えできないと思います。
しかし分からないことは、岡山県と関わりのある在宅ケアの経験豊富な先輩18っこファミリーにお尋ねすることができます。
また、これを書いている「今」の情報も1年経てば古い情報となってしまいます。
しかし、「HOME18岡山」という「場」を作ることで、新しい18っこファミリーを通して新しい医療・福祉情報を得ることもできるでしょう。
私たち家族が18トリソミーの息子と出会い、幸せな114日間を過ごすことができたのは、息子の頑張りだけではなく、先輩18っことそのご家族の頑張りとそれによって向上した医療技術、岡山のお医者さんをはじめとした医療関係者のお力のおかげです。
ですから、皆さまからいただいた幸せ、いただいた命のバトンを後に続く18っことご家族につなぐ責任があると考えているのです。
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連絡先
・こちらのアドレスへメールをいただけましたら私(惟母)が拝読いたします。
↓
home18okayama@gmail.com
・Facebookでもイベントのお知らせ等をしていきます。
↓
https://www.facebook.com/home18okayama/
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「18っこ」
この文章中では18トリソミーの子どものことを「18っこ」と表記しております。
18っこへの愛を込めたのはもちろんのこと、「18トリソミー、18モノソミー、フル、モザイクを問いません。」という思いをお伝えしたくてこの表記にしました。
また、症状や治療に関する医療の歴史がよく似ている「13トリソミー」のご家族とも繋がりがあります。
この辺りの考え方や、上記の「設立の目的」を勘案された上で、「『HOME18 岡山』に何か協力しても良いかな」とお思いになった先輩18っこ・13っこファミリーや、医療関係者の皆さまからのご連絡も、随時、静かにお待ち申し上げております。
「活動」につきましては、「したい人が、できる範囲で無理なく続ける」「来るものは拒まず、去るものは追わず」という緩やかな姿勢で取り組んで参りますので、お気軽にご参加いただき、お力をお貸しいただければ幸いです。
2019(令和元)年12月4日 文責 惟母