「HOME18岡山」のブログ

 18トリソミーなど染色体少数派の子と、家族と、ゆかいな仲間たちの岡山会です。

布と子ども展 ⑤ HOME18岡山 2023

2023年3月15日(水)〜28日(火)

「布と子ども展」【入場無料】

岡山県内(岡山市瀬戸内市)5会場へ

ぜひお越しください。

 

展示会の各会場では、シリア難民の子どもたちが日本の私たちへメッセージをかいた

大きな布を2枚展示します。

 

この布は、全ての会場で展示しようと思っています。

 

先月24日はロシアのウクライナ侵攻から丸1年、

昨日は東日本大震災から12年目の日でした。

東日本大震災の日から4日後、

つまり12年前の3月15日にシリアでは反政府デモがあり

これをきっかけに内戦が始まり、

まず国内で多くの子どもが命を落としたそうです。

難民となってシリアから出て生き延びた子どもたちは難民のまま大人になったのでしょう。

トルコに逃れた人は、難民のまま先日の地震災害に見舞われたことでしょう。

 

私は残念ながら世の中のことについて

とても無知で、

ときに無関心で、

たとえ知ってもすぐに忘れてしまいます。

 

節目の日だけふと思い出したり、

節目の日すら忘れていたりします。

ウクライナのことは思い出しても

シリアのことは知らなかったり、

地震津波のことは思っても

原発のことはあまり思わなかったりします。

 

他国の戦争のことも、

他地域の災害や公害、事故、事件のことも、

 

忙しいからと理由をつけてボランティアに参加しなかったり、

自分のことにお金を使いたいからと支援をケチったり、

これまでの便利な生活を手放したくなくて矛盾に気づかないふりをしたり、

ふとした瞬間に自身の中にある偏見に気づいて慌てて反省したり、

少しの後ろめたい気持ちや

恥ずかしい思いを抱きつつも、

そんな自分のずるさもまとめて忘れてしまうのです。

 

「国境なき子どもたち(KnK)」がヨルダンのザアタリにあるシリア難民キャンプにある学校で、

子どもたちの学びの支援をしていることも知りませんでした。

 

KnKの松永晴子さんのことを

ヨノナカ実習室のスミさんから教えてもらったとき、

最初は、

「難民の子」と「難病の子」の共通点を見つけて展示会をするのは難しいのではないかと思いました。

 

松永さんのブログの文章を読み、

布に書かれた言葉の翻訳を読み、

真っ先に思い浮かんだテーマは「家」でした。「HOME18岡山」ですし、
入院の多い18っこにとって「家」には特別な意味がありますから。


でも、「難民の子どもにとっての家」や

ハンセン病の元患者さん(が子どもだったころ)にとっての家」(さざなみハウスは長島にあるので)を想像すると、

 

どうしても「帰れない」「帰ってはならない」「既に存在しない」など、

「望郷」といった暖かみのある言葉では表現できない絶望的なテーマとなってしまうのではないか、

と心配になりました。


そこで、もう少し希望の持てる共通テーマとして

「布と子ども」を考えました。

 

難民の子のメッセージが布に書かれていることがまず一つ目の理由。

また18っこは目や耳、脳に障がいがあり

言葉では思いを発信•受信できにくい子が多いので、

表情の他に布という肌に近い物で思いを伝えあったり思い出を感じたりすることがあるというのが二つ目の理由です。

さらに、人工呼吸器カバーやカニューレバンド、

バギー(子ども用車椅子)などの医療器具に用いる布は、大量生産されません。

特注品だったり家族の手作りだったりするため、

そこには強い思いがこめられる、という理由もあります。

18っこの家族は、子どもが今この瞬間生きてくれていることがどんなにかけがえのないことかを知っているため、節目の日には心を込めて祝福します。

中には節目の日に向けて衣装を手作りする人もいます。

展示会では、まずこれらのはなやかな晴れ着を見てほしいと思いました。

 

難民だから、難病だから、いつも悲しくて苦しいようなイメージはもってほしくない。

布というテーマで、愛にあふれるあたたかい思いが伝わる展示会に、

時には子どもたちのユーモラスな表現や

ひょうきんな表情に

クスッと笑ってしまうような展示会にしたいのです。

 

そうしたら、私を含め多くの人が

この子たちのことを「忘れないでいたい」

「忘れても何度も思い出したい」と思うのではないかと期待しています。

 

松永晴子さんは、

「難民の子の生きづらさは、住環境だけでなく、彼らへの視線や対応、世の中の難民への考え方も影響する」と言います。

 

この言葉に私が深く共感するのは、

それが難病・障がいを持つ人やその家族の生きづらさにも通じることだからです。

 

忘れること、

無関心でいることは、

困難を抱えた人たちの生きづらさにつながる。

 

だからこの展示会を開き

みなさんと会うことで新しいことを知りたい、

私自身の忘れやすさと日頃の無関心を反省し、

私自身の視線や対応、考え方を見直すきっかけにしたいと思っています。

 

みなさんと会えることを楽しみにしています。

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「HOME18岡山」は、18トリソミーの子どもと家族の会です。

診断を受けた家族の思いに耳を傾け、家族間、医療・福祉の現場、地域の人との橋渡しをすることを目指しています。

いろいろな人に関心を持ってもらえるよう、少しずつ、ゆっくり活動しています。

 

「HOME18岡山」では、引き続き当事者を募集しています。

当事者とは、18・13っこファミリー、プレファミリー(妊娠中の人)、子を亡くしたファミリー(流産・死産の人も)のことです。

 

また、このブログでは18トリソミーの子どものことを「18っこ」と表記しています。
18っこへの愛を込めたのはもちろんのこと、「18トリソミー、18モノソミー、フル、モザイクを問いません。」という思いを伝えたくてこの表記にしました。
また、症状や治療に関する医療の歴史がよく似ている「13トリソミー」の子どもたちや家族ともつながりがあります。

このあたりを考えたうえで、「『HOME18岡山』に何か協力しても良いかな」と思う18っこ・13っこファミリーや、医療・福祉関係者からの連絡を、いつも待っています。

 

活動は、「したい人が、できる範囲で無理なく続ける」「来るものは拒まず、去るものは追わず」というゆるやかな姿勢で取り組んでいますので、まずは気軽に連絡してください。

 

当事者や医療・福祉関係者にも、そうでない人にも、幅広くさまざまな人に興味を持ってもらえると嬉しいので、今後も当事者限定の「懇親会」だけでなく、オープンな「展示会」「読書会」「ワークショップ」を企画していきます。


そしてイベントに関わらず、岡山の人に限らず、さまざまな人からの連絡もいつも待っています。

 

連絡先→

 

home18okayama@gmail.com

 

会に届くメールは今、私、惟 母(のぶ はは)こと木多(きだ)が毎日確認して読んでいます。